フランス当局は今週、約30%の暗号資産企業がMiCAライセンスの申請をまだ行っていないと発表した。今回のニュースは、これらの企業が合法的に事業を継続できるかどうかを左右する重要な規制期限が迫る中で明らかになったもの。
欧州連合(EU)は暗号資産に関する法的枠組みを初めて設けた法域となったが、MiCAは高額な資本要件や運営コストに対して反発を招いている。
フランスのライセンス期限迫る
欧州連合の暗号資産市場規制(MiCA)の下、暗号資産企業は域内全域で営業するために各国の規制当局から認可を受ける必要がある。
フランスでは、企業は6月30日までにMiCAライセンスの取得を目指すか、事業を終了するかについて規制当局に通知する義務がある。しかし、約3分の1の企業は依然として方針を明らかにしていない。
今週パリで記者団に対し、フランス金融市場庁・市場仲介部門責任者のステファン・ポントワゾー氏は、規制当局が昨年11月に各社へ国家移行期間終了の近さを通知したことを明らかにした。
ロイターによると、フランスでMiCAの認可をまだ受けていない約90社の暗号資産企業のうち、30%がすでに認可申請を行った。一方、40%はその意思がないことを表明している。
残る30%は昨年11月の通知に応答せず、また今後の方針も当局に知らせていない。
MiCAでは各国規制当局の認可を得ることでEU域内全域でのサービス展開が可能となる。企業が期限に間に合わなければ、フランスおよび他のEU加盟国での営業権を失うリスクがある。
EU規制に業界が反発
MiCAは2024年12月に完全施行され、主要法域として初の包括的な暗号資産規制枠組みを確立した。この動きでEUは、米国などの主要な競争相手に先駆ける形となった。
規制の明確化や調和が評価される一方、細部に懸念を示す業界関係者もいる。
批判者らは、この枠組みが過度の対応コストや運営費を課し、中小の暗号資産企業に不当な負担をもたらすと指摘。市場撤退や統合を余儀なくされる可能性に言及する。
またMiCAのステーブルコインに関する規定についても問題視する声がある。同規則は伝統的な銀行インフラとの密接な統合を求めており、金融機関がネイティブの暗号資産発行者より優位になるとの見方も出ている。
そのため、今週明らかになったフランスの暗号資産企業が6月の期限前に依然として無反応であるとの報道は、欧州連合域内でのビジネス環境の魅力に疑問符を投げかけている。
こうした圧力を受け、一部企業はより柔軟な規制を持つEU域外での展開を模索する可能性が高まっている。
